桃太郎電鉄のお話
お久しぶりです、こんにちは。
相変わらずシンガポールの大都会でぼんやり暮らす田舎者、みむです。
最近、電子書籍で島耕作シリーズを購入しました。仕事するよりはよ読みたい。
前回の更新から随分と時間が空いてしまいました。
こういう時、海外駐在イケイケ大都会意識高い高学歴高身長嫁モデル出世街道猛進マンであれば、
「新たなプロジェクトのメンバーになって毎日引っ張りだこで。」
とか、
「上司との付き合いで飲み会や会食で毎日忙しくて。」
とか、
「家族サービスで毎週セントーサ島にステイケーションでさ。」
とか言うのかもしれない。
※セントーサ島はシンガポールにあるユニバーサルスタジオやカジノがある人工島。リッチなホテルが立ち並ぶ。当然おらは行ったことねぇ。あたりめえだろ。
ちなみにステイケーションはシンガポール国内のホテルにステイしてバケーションすること。当然おらは(以下略)
当方はどうだったか?
そんなわけあるかい。
当方は、毎日在宅勤務しながら、定時になったら即PCを閉じ、これに勤しんでいたのだ。
そう、桃太郎電鉄の新作である。
プロジェクトメンバー?飲み会?ステイケーション?
そんなもんあるかい。この1か月、この類の「忙しい」など一度もなかったわい。
そう、当方は東京付近の物件を必死に買い集めるためリニア周遊カードを乱用し駆けずり回ったり、九州南部、和歌山付近の物件を買い占めてしまったばかりに台風の被害に泣かされたり、赤穂浪士に討ち入りされネズミーランドを奪われたり、キングボンビーにサイコロ30個ふられトータル1兆円オーバーの借金を課せられるなど、本当に心が休まる日がなかったのである。本当につらかった。桃太郎ランドほしかった。
ちなみに説明すると、桃太郎電鉄とは、プレイヤーそれぞれが電鉄会社の社長となり、目的地を目指すゲームである。その目的地は日本国内(一応ホノルルもあるみたいだけど。)のどこかの駅がランダムで決定され、プレイヤーやCPUは交互にサイコロを振ってその目的地を目指す、というものである。
ただし、普通のすごろくと異なるのは、誰かがゴールするたびに次の目的地が設定され、その繰り返しとなる点である。
このゲームにおける勝利とは、最初にゴールすることではなく、最初に設定する期間(~100年)が終わるとき、最も多くの資産を有していることである。
資産とは現金のみならず、日本の各所で入手できる物件やそれに伴う収益も含まれる。
多額の現金が獲得できる目的地へ最初に到達するために、様々な特殊スキルを有したカードを使用したり、対戦相手の進行を妨げたり、とシンプルながらも戦略性が問われるゲームである。
なお、目的地へのゴールが勝利ではないからと言って、目的地から遠い場所で物件購入やカード集めばかりをしていてもいい、という訳でもない。誰かが目的地に到着した際、そこから最も遠い場所にいたプレイヤーには「貧乏神」がつくからである。この貧乏神というのが何とも厄介で、カードを割ってしまったり、せっかく購入した物件を勝手に売りさばいてしまったりするのである。
それどころか、時折「キングボンビー」などというとんでもないキングオブキングみたいな貧乏神に変身し、何千億円という借金を簡単に背負わせてきたり、最悪の場合はもはや日本でも地球でもない「ボンビラス星」という借金と最低なカードしかないトンデモすごろくへの強制参加をさせられてしまう場合さえある。
こうなったらもう勝てっこない…と思うかもしれないが、案ずることなかれこの貧乏神をマップ上でほかのプレイヤーとすれ違い、なすりつけることが可能。
つまり、プレイヤーは物件を買って収益を上げつつ、目的地へも行きつつ、貧乏神をうまくマネジメントしつつ、勝利を目指すのである。なんというマルチタスク。さすが社長。
ちなみに、この桃太郎電鉄で日本各所を回ることで各県の市の名前や特産物、産業、歴史上の人物についても学ぶことができるため、大人にも子どもにも胸を貼っておすすめできるゲームである。おとなもこどももおねーさんも。ね。
ただし、「ウンチ」や「オナラ」等ちょっぴりお下品なワードから、某セクシービデオ監督の名言「ナイスですね~」やオナラマンの「スカトール アタック」等、ちょっと顔が引きつるワードもあるので、そこは笑って乗り切ってほしい。
桃太郎電鉄について熱く語ってしまったが、今作は本当におすすめなので、ぜひいろんな方にプレイしてほしい一作である。
何故こんなに熱く語ってしまったかと言うと、桃太郎電鉄には大学時代の思い出がたくさん詰まっているからなのである。
あの頃、大学生だった頃。よく友人の一人暮らしするアパートに集まって、缶チューハイを飲みながら夜通しこの桃太郎電鉄をプレイしたものだ。
お金はないし、コロナも、未来への不安もなかったあのモラトリアムな大学時代。
勉学のために入学したはずなのに、勉強などせずバイトと娯楽、そして少しの恋愛に一生懸命だったあの時代。
体力と時間が無限にあるような気がしていた。
冬の凍てつく空気を頬に感じながら、三人で見上げたロイヤルブルーの夜空に散りばめられた星々は息をのむほどに美しかったことを今でも思い出す。
ミサ、アツシ、見てないと思うけど、元気にしているか。
よくミサの家に集まって、小鍋に野菜や豚肉入れて、なんちゃって鍋やって、みんなでつつきながら氷結レモン飲んで、真夜中に散歩してコンビニ行って、朝まで桃鉄やったよな。
ミサ、確か超有名証券会社に行ったって聞いたけど、その後どうだい。
研修が大変そうでついていけるか心配って言っていたけど、君なら絶対にやり遂げてバリバリの証券ウーマンになっているんだろう。
会えなくてもわかる、かっこいいよ。
あとは、美人なミサのことだから、とっくに結婚して子どももいて、東京都内に家をもって誰よりも幸せに暮らしているんだろうね。
アツシ、元気か。あの頃気づかなかったけど、アツシ隠していたことがあったよな。
すごくコンプレックスに思っていたから、ああいう服装していたんだって、年取ってからやっとわかった。
でも、そんなの誰も気にしたことなかったはずだ。だってアツシはアツシだから。
アツシはいつも誰にでも優しかった。ゼミが分裂しかかってしまった時、誰もやろうとしなかった仲裁を本当に自然にやってのけた。いつもふざけたふりして、おどけて見せていたけど、本当は誰よりも優しくて、何より強い男だってこと、知っていたよ。
最後に電話で話したとき、確かタイにいたよな。
今も元気で頑張っているって思ってるよ。お互い海外組、頑張ろうな。
ミサ、アツシ。
元気にしているかな。
お前らのこと、絶対に許さないからな。
一生忘れんぞ、ミサが新幹線カードでキングボンビーを当方に擦り付けて逃亡し、アツシが豪速球カードで当方のカードを全て割り、挙句次のターンでボンビラス星に送られたあの日のこと。
絶対に許さん。
なお、先ほどの桃太郎電鉄の紹介に書き忘れましたが、このゲームにおける上記を始めとした妨害行為は時に現実での人間関係に多大な怨恨を残すことがあります。
どうか皆さん、気を付けてプレイして頂きたい。